旅するデザイナーとマフラー

日常の備忘録。そしていつかする旅にむけて。

「仕事の探し方がわからない」の実態を学生目線で語ってみる

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www.businessinsider.jp

 

「どうやって仕事を探せばいいですか?」

今年、私が学生からキャリア相談を受ける中で驚いたことは、この手の相談が意外に多いことだ。

今のご時世、スマホを開けばいろんな就活情報サイトにアクセスできる。そのサイトの多くは、希望の勤務地や職種がチェックできるようになっており、検索をかけると希望に沿った求人が検出される機能がある。

大学のキャリアセンターに行けば企業のパンフレットを持ち帰ることや、学内で開かれる就職セミナー(通称:学内セミナー)に出て、企業の情報を収集することだってできる。

これだけ情報があふれているにも関わらず、それでもなお、学生たちは、仕事の探し方が分からないという。一体なぜなのか。

 

これ、やばいよなぁと思う。

この記事に述べられていることについて現在大学院に所属しているものの意見として語ってみる。

 

 大企業以外を知らない

大企業に行きたいというより「他を知らない」

 この発言がとても的を射ているように思う。学生はほとんど大企業以外を知らない。探そうとしない人もいるし、探して「いいな」と思う無名企業があっても周囲の目や安定しなそうといった曖昧な理由で記憶の彼方にとんでいってしまう。

他を知らなくなってしまう理由として、大企業オーラというものがやはり学生の中であると思う。

友人Aがとある大手企業から内定をいただいた。周りは「すごい!」とはやし立てるし、本人も冗談まじりに「自分は優秀」という。

ちょっとした日常の、冗談的な意味合いの一コマであるものの、無意識下に「大企業はすごい」という認識が根付いているし、こういった掛け合いの積み重ねがちょっとずつでもそれを増幅させているのだと思う。

 

同級生の発言の矛盾

 同級生の多くはすでにほとんど内定をいただいている。自分で希望した会社に内定をいただけていることはとても喜ばしきことだと思う。でもその一方で彼らの発言に矛盾を抱いてしまうこともある。

 友人Bは言った。「都市の画一的な住宅は好きじゃない。田舎にあるような古いけれど重厚感があるその土地に土着したような建物を建てたい。」

そういった友人Bは大手ハウスメーカーに就職するという。

 友人Cは言った。「自分は小さいところの方が向いている。そういった場所で計画から設計まで一連の流れをこなしたい。」

そういった友人Cは大手都市開発会社に就職するという。

 

なぜ「仕事の探し方がわからない」のか

 なぜ学生は「仕事の探し方がわからない」のか。

それは今までの人生で自分が何に興味があって、何で生きていこうか考えていく機会が少ないからだと思う、いや考えているつもりになっているだけなのだ、自分含めて。

 自分の学んでいる建築・デザインは、「大学で学ぶこと」と「働いてから必要とされること」がまだ比較的似ているし、大学に入学する時点である程度建築・デザインをやりたという人が集まってきている。

しかしそこから先に進まない人が多い。もっと言うと建築やデザインを生業にするにはどうしたらいいか?を真剣に考える機会が少ないように思う。

 、「興味があるからやりたい」と「生業にしたい」は似ているようで全然違う。

土着的な建築をやりたいと言った友人Aを例にとれば、土着的な建築を普段の設計課題や卒業制作の対象とすること、そういった教授の元で学ぶことで興味を満たすことはできる。しかしそこから先「土着的な建築を建てて生活をしていくにはどうしたらいいのか」を考えていく必要があるのかなと思う。

例えばそういったことをやっているアトリエ事務所に行くでもいい。一般的にアトリエは給与が低いとされているので生活に困窮しそうだな、と思ったらその関連するような団体とか企業を色々見てみたり、話を聞きに行くでもいい。もしかしたら副業的にそういった建築に関わることができるかもしれない。

ポイントは仕事内容の面白さだけに留まるのではなく、どうやって生活をしているのかを知ることだ。

そういった「生業にするための方法」を考えないまま、就活シーズンに入る、新卒を逃すとやばいといった風潮に煽られて、名の知れた企業を受けてみるという流れとなってしまう。

恐らく比較的大学入学時点で方向性がはっきりしているであろう建築・デザイン系でもそうなのだから、いわゆる文系みたいなところはもっと大変なのだろう。

 

 

またこの記事でも述べられている通り、大学も依然として大企業キャリア支援に力を入れていて、学生が大企業以外の道を知るすべを閉ざしているように思う。

インターン情報やOBOG訪問といったものもあり、その会社がどういった働き方をしているか知る機会も多いが、その情報・OBOGも結局は「生業にする方法」をあまり考慮しないままに流れ着いた結果という場合であったりする。

つまり情報の流動性がほとんどないと言ってもいい。

もっと大学が様々な生き方を斡旋し、宣伝できたらいいのだろうなと思う。

  友人Dは言った。「就活をしていると自分がなくなっていく。」そんな方法で仕事を探しても本当の意味で幸せにはなれないんじゃないかなと思う。

 

 かくいう自分は大企業に向けての就活などそうそう辞めて、それ以外の道を模索している。

自分は幸いなことに、

 ・建築・デザイン系だとアトリエという「所謂就活的」以外の選択肢があること

 ・高校の同級生達で変わった進路をとる人が多かったこと

 ・研究でヒアリングを行なった人たちの中で「所謂企業」で働いてないものの自分の理想とするような方法で生活をしている人に会えたこと

これらのおかげで所謂就活ではないけれど、自分に合っていてチャレンジしようと思える選択肢を見つけることができた。だから「所謂就活」を完全に断ち切ることができた。

つまりそういった生き方を学外で見つけてこれた。

私の決断がゆとりの産物となるか、新時代の寵児となるか、それを決めるのは自分自身だし、後悔はしないと思う。

 

「仕事の探し方がわからない」状態にならないよう

 

旅は続く.........